卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

伝奇的中世日本

 何となく忍者つながりで。
 A Magical Medieval Society: Western EuropeというTRPGのサプリメントがある。一応D20システムだけどファンタジーRPGを遊ぶならどんなゲームでも役に立つ。

 多くのファンタジーRPGはその背景世界に中世ヨーロッパのイメージを持つ。その中世ヨーロッパと言うのは騎士がいて、聖杯の探索行があって、龍や巨人が王国を脅かして、秘術に長けた魔法使いと信仰厚き聖職者などなど。
 ただし、こうしたファンタジーRPGで示されたような中世ヨーロッパなど実際にはなかった。多くのゲームで見られるプレートメイル(板金鎧)はルネサンス期の産物でこれを身につけた騎士は自分で馬に載ることすらできなかった。RPGでは普通に歩いている。
 それに癒しの魔法があるゲームとは違って史実の中世では病や怪我は致命的であった。
 まず僕らが思い浮かべる「中世ヨーロッパ風ファンタジー世界」そのものがかなりあやふやなものであることに注意しなければならない。その上で、「あやふやな」世界観にルールで示された「魔法的史実」の影響を鑑みなければならない。
 上記のサプリはそのあたりを非常にうまくやってくれて、「ファンタジーRPG風の中世ヨーロッパ」をゲーム的に表現するためのさまざまな指針、情報、データが載っている。

 僕達はこれまで平日8時台からやっていた(もしくは午後2時に再放送されていた)時代劇や、NHKの大河ドラマで「時代劇的江戸時代」や「大河ドラマ的戦国時代」に関して共通のイメージを抱いているといって良いと思う。
 ただし、忍者や傀儡子や式王子や護法童子、狢に天狗に鬼がいたことによってこの時代がどのようにイメージされるか。すなわち、“伝奇的中世日本”はまだフィクションとして表現されていないのではないかと思う。
 さらには、そうした“伝奇的中世日本”を舞台にする際の基礎的な情報を僕達は持っていない。
 「小判100両盗めば打ち首」それは知っているけれど、小判1枚ってどれだけの価値があったのか、他の物価はどうだったのか。そもそも、小判とかっていつごろから使っていたのか。通貨の単位はどんなものだったのか。
 個人的には南北朝のころとかって、絶対面白いはずだと思うんだけどなぁ。