卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

追記・冒険するための遊び

 alpha_ralphaさんに指摘されたので。追記
 上記文章は冒険をシナリオの上位にあるとして優劣を定める意図では書いていない。実はこんな記述があって、意識のギャップを感じたのでそれを煮詰めていたらこう説明するのが一番よさそうだったのだ。その文章はRPG日本(http://www.rpgjapan.com/)のD&D3版掲示板、D&D3eプレイの適正人数についての板。(http://www.rpgjapan.com/game/dndbbs.cgi?3

ゲームバランスに対しては・・・TRPGの遊び方が違うのかもしれません。
ミッションクリアできる「かも」しれないから、ゲームなのでは と考えます。正しい選択さえしていれば、死亡する危険が無いのであれば、どちらかというとパズルなのではないかと。
# シナリオの(敵対的な)NPCの戦闘時の行動指針を読むと、TRPGの戦闘に対する意識の差がわかります。
# DD3Eは、戦闘もできるストーリージェネレータではなく、シナリオ付戦闘シミュレータなのでしょう。

 この感想はしごくもっともなのだろうけど、少なくとも以前からD&DをやっていたD16にとってはびっくりするようなものだった。なぜなら、(そのときまでは)D16はD&Dとはいい意味でも悪い意味でも標準的なRPGであり、ストーリー支援システムを実装した(“シナリオ”で遊ぶことを意図した)最近のRPGというのはいわばD&Dが踏み込んでいないところを逆に組み込んだことに意義があると思ってたからなわけで。
 ……書き記すと、単にD16が時代遅れだっただけな気がしてきた。
 気を取り直して。
 決して、D&Dをプレイした人のほとんどがこうした感想を抱くとは思わないけど、この感想はもっともであるし、そしてそこで期待していたものとのギャップが生じて離れてしまうとしたらそれはもったいない。
 だからギャップを埋めるためにも、とりあえず、D&DでDMが用意するシナリオ(少なくとも公式のシナリオ(Adventure)では)は物語の背景、PCが乗り越えるべき冒険の要素としてデザインされているのだということ。そしてその面白さというのは、冒険を遂行することによって見出されるのだということを書いておこうと思ったのだ。
 もちろん、間口を狭くすることは意識していなかった。ギャップを感じることに対し、その理由を明らかにすれば対処もできる。そして、“シナリオ的”な遊び方も充分できるのがD&Dだと僕も思っている。*1
 とはいえ、ルールブックの文言を引いて「かくあるべし」とも取れるかき方では、「啓蒙」するような書き方以外の何ものでもない……ですね。勢いに任せキーボードが滑った。
 あとすこし話を展開させると、別の視点からも現状に問題はあるかなと思う。
 まず、間違いなく「”シナリオ(お試し的にゲームを体験できる機会)”を充実させて、初心者の間口を拡げていく」というのは必要だ。けど、そのノウハウは実は世にあまり出ていないんじゃないか。冒険シナリオシリーズなど文字に書かれている分はそのノウハウとは別なんじゃないかってことだ。
 つまりこれまで出ているものには、チュートリアルはあるのだけど「何が楽しいの」ってこと(特に物語に参加する楽しさ)を教える、最初のセッションで体験させるためのノウハウは充分ではないってこと。
 これらのシナリオやDMGにはプレイするときの円滑な進行に関する指針はふんだんだけど、「PCがかかわる物語を提示、相関させて」プレイヤーが物語を進行させていく楽しさはその過程で自明に与えられるものとしてしまっている気がする。けれど、物語を提示、参加、進行させていく楽しさってのは実体験が伴わないとわかってもらえないんじゃないか。
 実体験をひくなら、D16の参加したプレイグループでは、物語の楽しさを知っている他のプレイヤーが、初心者のいる卓でそうした物語の進行を”実演”し、それをもって新人が呼吸を覚えていくという伝統技能の伝承がうまくいってたと思う(瑞賢先輩、松谷先輩、神無月先輩ありがとうございます)。けれど、こうしたことがすべてのプレイグループで可能だとは思わない。だから、何らかの形で他のプレイグループにも提示する必要がある。
 こうした“実演”による技能伝承。それを情報媒体に乗せたものこそが数回にわたって実演されるRPGの「リプレイ記事」であるのかも知れない。
 断言できないのにはわけがある。
 不勉強を白状すると、D16はリプレイというものをほとんど読んでいないのだ。多分、最初のロードス3部作、旧ドラゴンマガジン、FGジャーナル、オフィシャルD&Dマガジンに乗っていた「栄光は誰がために」キャンペーン、そして最近ゲームぎゃざにのっていたD&Dリプレイくらい。
 バブリーズもへっぽこーずも、セブンフォートレスも名前しか知らない。
 従って、もしかしたら、こうした「リプレイ」を読むことで物語の提示、参加、進行という遊び方ができるのかもしれない(知らないで言っているので、頓珍漢なことであったならぜひご指摘ください)。

*1:よきプレイ仲間であるalpha_ralphaさんなら、かく言うD16自身、シナリオでもプレイする(つか、こっちがメインでしたねClassicやセルゼヴィアでは)ことはご存知と思う。