卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

Your DM is always right

 D&Dで、ルールを論ずるとき、常に「Your DM is always right(あんたんとこのDMが常に正しい)」という前置きがされるのは、RPGのこうした性格による。ルールの持つ影響力は各プレイグループのレギュレーションによって大きく異なる。A卓での裁定がB卓でも常に有効か(正解かを問うのではないことに注意)は一概に言えない。
 それを判断しうるのはプレイグループの中でそうした裁定を任されているDMのみなのだ。DMはプレイヤーたちからセッションを楽しく遊ぶために必要な裁定を委任されている。DMのみがPCたちに課せられる冒険を前もって知っており、とあるルールの裁定がセッションに与える影響を知ることができるからだ。
 公式のルールはそれ自体に権威があるのではない。それを判断材料としてDMが裁定を下す、そのための論拠なのだ。
 だがDMがすべて決める以上、「俺がルールだ」的なマスタリングが適うか? 否である。
 裁定する権限はプレイグループがマスターに委任するものだけれど、裁定の前段階に行なわれる検討、すり合わせではDMもまたプレイグループを構成する1人に過ぎないからだ。
 DMとしてセッションを成功させるため、参加者の協力は欠かせない。であれば、自分の裁定と異なる意見をプレイヤーが抱いている時それを無視・軽視するのは下の下である。