卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

PHB2はイイ!(9/1晩、修正しました)

 というわけで現在作業中だったりするんですが。>『プレイヤーズ・ハンドブックII』
 
 いや、これは素晴らしい。
 
 公開されて以来、特技とか再訓練のルールとかばかりが評価高かったPHB2ですが、実のところこの本の価値はそこにはないです。
 具体的に言うと2章のクラスの役割解題(修正:ロールプレイの指針)と6章のパーティをいかに運用するかという章の内容が秀逸。読み物としての価値がすごく高い。『プレイヤーズ・ハンドブック』がゲームに必要なルールを記述したものなので、副読本としての内容がこっちに改めて収録されたんですかね。これは確かにサプリメントなどというレベルのものじゃないですよ。
 
 すでに遊びこんでいる人は間違いなく買うでしょう。
 けど、「そんなに追加ルールとか興味ないし、いいや」なんて思ってる人にこそこれは買って読んで欲しい商品です。
 
 いやむしろ、内容知ってる人が「ビガイラーつえー」とか「ファイター特技つえー」とか言うことを前面に出して勧めて欲しくないくらいに、“D&Dの遊び方が良くわからない”人向けの商品です。
 
#そう言う風に勧めちゃうと、本来このPHB2を読んで欲しい、入門者ユーザとかが却って手に取らなくなってしまうかもしれないので。
##もちろん、追加ルールは確かにこれまでのサプリの中でも抜群の面白さがあります。つか、ファイター使いや赤箱エルフファンは黙って買え。
 
 D&DのクラスってPHBだけで11種あって、中には存在価値がよくわからないといわれているクラスもあるわけです。実のところ、日本語環境の一部で行なわれているスパルタンなプレイスタイル(およびその辺の議論が支配的な2ch界隈)では明らかにヒエラルキー下位に追いやられているクラスがある。
 
 けれど、その評価はあくまで一部のプレイスタイルについてなんです。そして、D&Dのヨロシイところは広範なプレイスタイル、ジャンルに対応できるルールが準備されており、それをDMが編成することで望む遊び方をルールに実装して遊べることにあります。
 クラスというのはその根幹となる“物語の中でPCが果たすべき役割とそのために必要な能力”をペアで与えてくれるPLにとっての出発点なんですね。
 PHBでの各クラスの説明は残念ながらそのクラスのイメージ、概要を伝えるに留まり、実際の冒険での運用報告まで至っていない。で、PHB2のクラスの解題(追記:実際には6章のBuilding the Partyのあたり)にはこのあたり)が載っている。
 そりゃもちろん、D16の周囲の“D&Dの鬼”な方々からすればわりと「何をいまさら」であったり、「いいとこしか描いてねぇ、つか運用環境が甘い」とかかも知れないんですが、それこそPHBからD&Dに入った人には盲を開かれる内容です。
 我々がセッション後に駄弁って共通理解としていたノウハウ(実のところHJコンの後の飲み会はこれの価値がすげー高いのよ)が文章化されてプロダクトに乗っかってはるかに多くの人に届くんですから。
 
 というわけでこのルールブック、D&D初級者にオススメです。コアの次に大全シリーズを買おうか、けどお金ないしとか悩んでいる人がいたらいっそ、10月末まで待ってこれを買えと教えてあげてください。
 コア3冊以外にどれか1冊というのであれば、問答無用でこの1冊です。

 でもって、PHB2には大全シリーズのクラスの説明も載っているので、結局大全シリーズも欲しくなるハズで。ぬふふ。