卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

結びというかなんと言うか

 D16はこの文章のはじめで、D&Dの真価はd20をつかうゲームシステムにあるのではなく、遊ぶ環境を提供できるところにあるのではないかと書きました。
 そして、そもそも英語でのD&D環境をそのまま日本の環境に持ってくることはできないのではないかとも。
 ですが、D&Dの底力はここで明らかにされます。
 WoCが本気になって作った製品のシナリオ、製品の入門者用シナリオというものは、“単体で基礎的なD&D環境を提供するだけの力”があります。
 製品シナリオというものは、単なるダンジョンマップ、準備された遭遇、NPCデータ、プロットを一括したものではありません。それ以上のもの、1つのジャンルを輸出し理解させるだけの力を備えたものです。
 
 「シナリオは売れない」
 
 RPG系サイトで時折目にする、そして説得力のあるフレーズです。
 けれど、僕は(なかば当事者であるにもかかわらず、恥知らずにも)言います。
 「なら、買え」と。

 「シナリオは売れない」、このように小売や営業の人が言うのは構いません、単なる事実です。
 けれど、ユーザであるわれわれがそんなセリフでものを判ったような振りをするのは間違っている。
 消費者にとって、買うことに勝る意思表示はありません。そして、WoCからは先シーズンも今シーズンも、すでに魅力的なシナリオ・タイトルが発表されてます。
 D16イチオシは、『鬼哭き穴に潜む罠』と同じ様式で一地方の設定や上級クラス、陣営のデータ、プレイヤーに渡すビジュアル・ハンドアウトまで備えた『The Shattered Gates of Slaughtergarde』。
 これらを出すことで、そして遊んで貰うことで、D&Dを遊ぶ仲間はもっと増えると思いますし、それによってもっと日本のD&D環境は面白くなるでしょう。
 もっと、遊びたいなら。
 もっと、製品展開を望むなら。
 もっと、仲間を増やしたいなら。
 
 シナリオを買っていろんな人と遊ぶのが一番です。買ってください。