卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

[D&D]Keep on the Shadowfellのレビュー

Keep on the Shadowfell: Adventure H1 (D&D Accessory)

Keep on the Shadowfell: Adventure H1 (D&D Accessory)


 4版の導入用プロダクト、本日アマゾンから届きました。この製品は4版のコアルールブックの前にこれ単体でD&D4版を遊ぶことのできる製品です。
 まだちゃんと読み込めてはいませんが、第一印象をレビューします。
 
 製品の体裁は「Shattered Gates of the Slaughtergarde」と同じように、厚紙のフォルダに小冊子とポスターマップが入ってる。
 中身はPL用クイックスタートブック、DM用スタートブック(Adventure込み)、ポスターマップ3枚(6面)、全ページフルカラーだけどペラ冊子。少なくとも3〜4回のセッションは必要だろうから、早々にヘタると思われ。
 クイックスタートブックには事前作成されたPCが5人。今回のD&D4thのパーティ標準構成は5人なので、選択には遊びなし。データはおそらく完全データ(Not簡易データ)。キャラ作成のルールはナシとはいえ完全なデータを与えられるのでこれで遊んでからスムーズに基本三冊でのゲームに移行できる。
 3レベルまでのレベル上昇データ、アリ。
 プレロールドキャラクターの構成は、
ドワーフファイター
 hp31、AC17、Fort15、Ref11、Will12。モール使いで基本ダメージ2d6+3。Cleave(《Cleave/薙ぎ払い》の特技とは別)という特殊攻撃は一体にダメージを与えると、隣接する敵キャラに若干固定ダメージが自動的に入るもの。
 他にはReaping Strikeと言う打撃があり、命中判定に失敗しても3点ダメージが自動的に入る。以上二つは使用回数制限なしの能力。
 1遭遇辺り1回はSpining Sweepダメージを与えた上で相手を伏せ状態にするもの。たぶん抵抗判定なし。
 そして1日に一回使える技がBrute Strike。通常の命中判定だが武器のダメージが三倍になる(この場合6d6+3)。しかも命中しなかった場合は、この能力を消費したと見なされない。
 ファイターとしての特殊能力はCombat ChallengeとCombat Superiority。前者は敵を攻撃した場合その正否にかかわらず、ファイターはその敵を”マーク”し、”マーク”されている敵はそのファイター以外への攻撃に−2のペナルティを受ける。また、“マーク”されている敵は、”マーク”しているファイターの隣接から離れようとしたり、ファイター以外を攻撃しようとしたときには割り込みでファイターに殴られる。
 後者は機会攻撃に+2のボーナスを得るもの。
 つまり、ファイターが率先して敵の頭を抑えて侵攻にプレッシャーかける感じでしょうか。
 
◎ハーフリング・ローグ
hp25、ブーツはいてる。ハーフリングは種族能力として1遭遇に1回、自分に命中した攻撃を振り直させることができる……マジ? 
 ローグの攻撃能力は攻撃に付随して移動するものが多い模様。それとTumbleが特殊能力になってる。
 
◎人間・ウィザード
hp23。マジック・ミサイルが命中判定必要になった。とはいえ、回数制限なしでダメージも2d4+Intボーナスに。レイ・オヴ・フロストは1d6+【知】ダメージだけど、あいてをSlowにできる。
 そして1d6+【知】ダメージの範囲攻撃(9マスの正方形)スコーチング・ブラスト。以上が使用回数無制限能力。
 遭遇1回能力はバーニングハンド。ダメージは2d6+【知】だけど範囲が5マス×5マスって広いな!
 1日1回能力はアシッド・アロー、対象1体に2d8+【知】ダメージ、さらに継続ダメージが毎ラウンド5ポイント。そして、対象に隣接する相手にも飛散して二回目の命中判定が行え、そちらのダメージは1d8+【知】と継続5ダメージ。命中判定失敗したらダメージ半分で、継続ダメージも2点に、飛散なし。
 そして2つめの1日1回能力はスリープ。5マス×5マスにいるクリーチャーはまずSlow状態になり、最初のセーヴに失敗したらそのまま寝てしまう。
#今回、セーヴは自分の手番の終了時に行い、自分に作用している効果に対してそれぞれd20を振り、出目が10以上だったら成功となる。つまり、効果を終わらせることができる。
 これ以外にもウィザードはCantripという回数制限なしの能力を持ち、プレロールドはゴーストサウンドとライトを持つ。
 
◎ハーフエルフ・クレリック
 hp26
 以前アンデッド退散の回数を使っていろいろな効果を得ていたのが拡大され、Channel Divinityという能力をTurn Undeadや神格の特殊能力として使用できるようになった模様。
 基本能力はLance of Face、Sacred Flameといずれも攻撃。遭遇につき1回のHealing Strikeは敵を殴ることで味方にHealing Surgeを使用させる能力。

#今回、各キャラクターはHealing Surgeと言う能力を持っており、1回使用することでヒット・ポイントの1/4に相当する量を回復できる(1日辺りの使用回数上限ありサンプルのファイターは12回まで)が、戦闘中には任意で使用できない。使用するには、Second Windという1遭遇1回の防御+巻きなおしのアクションを取る、または、仲間に技能のHealをしてもらう、仲間がHealingの効果を持つ特殊能力を使う必要がある。
 つまり、自分で能動的に直せるのは1遭遇1回。それ以外は、誰かにHealing Surgeを使用できる機会を作ってもらう必要がある。
 
 クレリックの持つ1遭遇2回までの特殊能力Healing Wordは対象にこのHealing Surgeを(自分の手番以外で)使用させ、さらに追加で1d6治すというもの。
 2レベルになって初めてキュア・ライト・ウーンズが1日1回使えるようになる。こちらの能力の効果はHealing Surgeを”使用したかのように”回復させる能力(つまりHealing Surgeの回数は消費されない)
 
◎ドラゴンボーン・パラディン
 新種族登場。AC20、hp27。ブレスはけます。癒しの手は自分のHealing Surgeを消費して対象がHealing Surgeを”使用したかのように”回復できる能力になってます。また、ファイターと同じように敵をマークする能力、クレリックのように敵を殴ることで味方にHealing Surgeを使用させる能力を持っています。
 
 PL用クイックスタートにあるルールは4ページだけど、戦闘関連のルールはほぼ入ってる模様。足払いなどのオプションは今回は一般戦闘ルールではなくなったらしいので。
 
◎DM用ブック
 15ページに渡ってスタートルールがついている。高レベル帯で必要になるような処理を除いているだけでたぶんフルのルール。ただ技能の説明はかなり濃淡がはっきり。今回使いそうな所は十二分、そうでないところはあっさり。
 内容についてはネタバレをしない程度に印象を。
 
◎敵の数多し
 5〜10体出てくることが多いようです。コボルドやゴブリン達とはいえ、おおいねえ。
 
◎Minion
 それと、Minionという敵種別があります。hpは1だけど、攻撃を成功させないと倒れない(つまり、副効果ダメージなどからはダメージをうけない)。ばっさりなぎ倒されるけど、手番を回すと通常通りに殴ってくると言うやな相手。
 
◎野外+ダンジョンハック
 良い感じです。3レベルまで成長できるみたい。
 
◎モンスター書式
 見やすいです。
 
◎感想
 キャラクター作れない+買い物できないと言う重要な違いはありますが、かなり赤箱に近いです。
 ルールはほぼ入っており、しかも簡易版ではない。1〜3レベルまで成長でき、そしてかなり本格的なシナリオが入ってます。鬼哭き穴以降のシナリオ書式で60ページ超の冒険がついてくるわけですから。
 とりあえず、D&D4版に興味があるなら、買って損はナシ。これを遊んでみてからコア3冊買うかどうか決めればいいでしょう。
 実は、PHBをいきなり買うよりも読むところ少なくあそべるので、フツーに4版を遊ぶ人たちにもお勧め。
 あと、冒険の進め方(と言うか遭遇の組み方)はモンスターの能力や戦闘の指向などから、これまでのやり方とは結構違うので公式冒険で演習する必要があると思った。