卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

4版リプレイ第2回

 うわあ、もう2月も1/3終わってた(汗)
 月頭に告知しなきゃいけないのに、いろいろ忘れててなんとも情けない話ですが……。

GAME JAPAN (ゲームジャパン) 2009年 03月号 [雑誌]

GAME JAPAN (ゲームジャパン) 2009年 03月号 [雑誌]

 発売されているGameJapan誌にD&D4版のリプレイ、「海燕〜Arround The World」第二回が掲載中です。前回はキャラメイキングでいっぱいでしたが、今回から本格的に冒険始動です。
 4版はいろいろ新たなフィーチャーがあって、D&Dおなじみの手に汗握る戦闘だけでなく、これらの新機軸も随時取り上げてゆきます。今回は、クエスト関連がメインになりました。

 冒頭から楽しくてですねえ。桂さんのドーリンはケツが重いわ、アサコさんのアウラは傍若無人だわ、小太刀さんのレイフは穀潰しロールの陰でとてもマメでマジ助かるわ、天さんのザナディーンは天衣無縫に無法だわ、戸橋さんのグレイは冒頭から大変な目にあって演技忘れるわ。
 えー、いろいろありました。お楽しみ下さい。
 
 クエストというのは「このイベントの最終目的はこれだよ」と、DM側から目的を提示することです。このとき、それを達成することで得られる経験点なども公開してしまいます。これによって、DMが提供しようという冒険の枠組みについて大体の見当がつくわけです。これによって「何をしたらいいかわからない」という事が無くなり、セッションをスムーズに展開できます。
 とはいえ、これはDMから一本筋の展開を勧めるものではありません。提示されるのは「それを達成したと見なされる条件(敵を打ち負かす、特定のアイテムを手に入れる)であって、それを達成する経路はPC達に任されています。それに、クエストはキャンペーンを通じて達成してゆくものとして与えてもいいのです。
 例えば、「漢王朝を再興する」なんてのが1レベル開始のキャンペーンの冒頭に与えられるというのも、アリなんです。
 実際にはそのためにまず、「生死を共にする仲間を得る」とか「兵を集めて決起する」とかのもう少し手近なクエストが出てくる事になるでしょうが、DMが提示するキャンペーンの方向性がはっきりとわかります。
 さらにこのクエストはPLサイドからも積極的に提案されるべきものとなっています。
 つまり、このクエストというシステムによって、DMとPLが同じ立場で「どんなセッション、アドベンチャーを遊びたいのか」をすりあわせることができるんですね。
 たしかに、キャンペーンにおいて冒険を準備するのはDMです。しかし、PLはDMからのクエスト提示によって「DMがしたいこと」を、DMはPLから提案されるクエストで「PLがしたいこと」を互いに知ることができます。既にこれまでこうしたことを行なってたプレイグループはあると思いますが、経験点を与えるシステムの一つとしてクエストがあることによって、自発的自覚的に卓の全員で物語を作ってゆくことが示されたわけです。
 最終的に、キャンペーン冒頭で提示されていたクエストをあきらめる、否定する、変更するなんてこともあり得ます。それはキャンペーンを遊ぶうちに、PC達がその世界に確固たる存在として根付き、自らの思いで行動をし始めれば当然のことです。「俺たちの目的は何なのか?」ということを考える糸口としても有効と思います。

 まぁ、それほど大きな話でなくても酒場でいつまでもウェイトレス口説いてるようなキャラクターを蹴り出すのにとても良くできたシステムと、言えるかも知れません。
 ちなみにPL側としては、ぜひ、「ウェイトレスを口説き落とす」というクエストをマスターに申請すべきでしょう(笑)

 で、こうしたDM向け記述については別記事でTRPGカフェ、DayDreamの岡田さんがレビューを書いておられます。これを読むと『ダンジョン・マスターズ・ガイド』を手に取ってみたくなると思いますよ。今回の『ダンジョン・マスターズ・ガイド』は本当にいいできで、3.5版の時の『ダンジョン・マスターズ・ガイドII』にあったような「どのようにDMをするか、セッションを運営するか」について実例を挙げつつ丁寧に説明しています。岡田さんも書いてましたが、「セッションの準備をする時間がない場合」とか「いるだけで満足して余り積極的でないプレイヤー」への対応まで書いてあるんで、正直D&Dに限らずTRPGでマスターを行なう人全般にとって有用な本となっています。
 ある程度の中身はホビージャパンの該当サイトにありますので、そちらを見て見てもよいと思います。

ダンジョンズ&ドラゴンズ ダンジョン・マスターズ・ガイド第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)

ダンジョンズ&ドラゴンズ ダンジョン・マスターズ・ガイド第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック)

 ちなみに、今回のGameJapan誌は森野たくみさんウォーハンマーRPG記事、こいでたくさんの私立RPGハイスクール、吉井さんのゆるゆるSpeak Easyのそれぞれでもマスタリング記事が載っておりまして、すべて経験に基づいた含蓄ある内容になってます。ぜひ、手に取ってみて下さい。