卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

第四回:『武勇の書』解説・前編

ご挨拶

D16:えー、前回から2回ほど夏休みをもらってましたが、翻訳チームの若造二人がD&Dについて無責任に語る、Biweekly D&D。今週から再開いたします。
pps:よろしくお願いします。
D16:で、桂さんから指摘されて気がついたんだけど、D16についてはこの日記見る人は知ってるだろうから良いとして、ppsについては誰もしらないよなと。ここらで紹介しておいた方が良いと思ったので、4回目にしてようやく紹介することにした。いや、忘れててゴメン。
pps:いえいえ。
D16:えー、彼は実のところ名前出して仕事しているのでそっちで紹介します。翻訳チームの塚田与志也で、第四版から本格参加。その前にも若獅子の戦賦シリーズ後半などでルール周りの相談相手をしてもらってました。
pps:いきなり電話で、「メタマジック・ワンドクリップとロッド・オヴ・メニィ・ワンズ重なるッけ」とか聞かれましたね(笑)
D16:あの時は、確かセッション途中のトイレ休みかなんかでえらく焦ってたんだよ(笑) あそこで、「重なりません」とか言ってくれたら、もう少しデーモンが持ったのに。*1
pps:でもルールはそうなりませんから! 
D16:ルール周りで彼にはいつも相談に乗ってもらってます。『D&D第4版がよくわかる本II』で各クラスの記事を書いてくれてます。
pps:改めて、よろしくお願いします。
D16:さて、この“Biweekly D&D”っていう駄弁りは、メッセンジャーのログを成形して上げておりまして、なるべく手間かけず定期的に記事をUpするという試みの一つ。
 あんまり手間かかったり、もっと良い手法があったらそちらに乗り換えると思います。そのうち、リクエストとかにも応えられるようになりたいですが、しばらくは一方通行のながしっぱでご容赦。

8/20時点でのD&Dの話題……Dark Sunあるいは我らはいかにコーデルを愛しているか

pps:そいえば、海の向うではGenConでしたねえ。
D16:次のワールド・セッティングがよりによってDark Sunだってな。復帰1発目は、まずこの話題から話そうかね。
といっても、Dark SunはAD&D2版時代のセッティングで、D16はAD&Dの2版をあまり遊んでない。Plane ScapeやSpelljammerのようにジェネリックD&D情報の少なかったDark Sunについて語れることは少ないのだけどね
pps:私もD&Dは3版からなんで、もっぱら伝聞になっちゃいますね。ダークサンといえばネタ度の高さでは他のワールドの追随を許さないようなので、いろいろと期待してます
D16:個人的な話で言うと、またBruce R Cordellがサイオニック周りをいじるのじゃないかと恐れてる。あの読みにくい文章をやることになるのか! とかね*2
pps:4版のフォーマットだと、ルール部分はそんなに複雑にはならないんじゃないかなあ。プレヴュー版のサイオンもそれほど読みづらくはなかったし。
D16:まてよ! もしかしてコーデルが絡んでいない!? 表紙見たところコーデルの名前はDarkSunにはないようだぞ(http://www.wizards.com/default.asp?x=dnd/4spot/2009August)。
pps:なんですと!
pps:プレヴュー版のサイオン記事の著者がコーデルなんで、PHB3の方に専念してるんでしょうね。つまり、コーデルの悪文を訳すのはもっぱら桂チームの仕事ということに。
D16:げふう。 ええい、確認した! http://www.wizards.com/dnd/images/news_20090519.jpg PHB3にはコーデルは居ない!*3
pps:少なくともメインのライター陣には加わっていないと
D16:さて、一方的なコーデルの恨みはさておいて。Dark Sunということはハーフジャイアントとカマキリ人間スリクリーンがPC種族に復帰して、ハーフリングが人食種族になって、ドワーフが奴隷になって、とりあえず奴隷から初めて、と言うことのようだが。
pps:文明レベルの低さはアレですが、4版なら相当品ルールで済んじゃうかな。魔法の扱いとかどうすんだろ
D16:あの世界の高レベル・サイオニックってタイムトラベルがバリバリできたはずだけどどうするんだろうなあ。逆に言うと、4版のシステムで各種世界を表記する時の参考になると思う。割とマジメに、DarkSunのつぎはスペルジャマーかもね
pps:1年1ワールドのペースだと、だんだんイロモノしか残らなくなりますね……
D16:キャンペーンガイド1冊、プレイヤーズガイド1冊、シナリオ集1冊のペースだからねえ。ワールド依存のシナリオって、Dungeon誌でもでていない?
pps:フォーゴトン・レルム向けシナリオが一応あった気がします。レルムの地名を使っているだけですが。
D16:こうなってくると。4版のシナリオの動きが気になるね、つぎのRevenge of the Giants*4とか。連作シナリオの神話級最後*5がでて一段落ってことなんだろうけど
D16:特定ワールドセッティングのシナリオが、数少ないって感じか。いや、エベロンはこれからかな。
pps:みんながワールドガイドを熟読した後でないと、そういうシナリオに需要はないでしょうしね。
D16:Dark Sunのシナリオって、たぶんほかとあまり互換性なさそうなので、1冊でて終わりというわけにはいかないんじゃなかろーかと
pps:あー、確かに。ただ、ワールド固有のシナリオは使い回しが利かないからなあ。
D16:でも、ワールドのらしさが出るのはそう言うシナリオだしねえ
pps:そうですね。そのへんはWotCにがんばって欲しいところです。
D16:では、そろそろ武勇の書の話に行こうか。

『武勇の書』を語ってみる、まずはファイター

今回の『武勇の書』(原題:Martial Power)は、4版では初めてのクラス系サプリで、以降のクラス系サプリの書式もこれにそぐうものになると思われます
pps:武勇系の4クラス、ウォーロード、ファイター、レンジャー、ローグのための本ですね
D16:すでに海外ではMartial Power2もアナウンスされてるけど、そちらではたぶんPHB2やPHB3の各種族に対応した伝説の道、特技が掲載されるんだろうね。
pps:クラス特徴もさらに追加されるかも。レンジャーとか、まだ個性が出しにくいですから。
D16:さて、どのようなものが追加されているかというと、
 各クラスにつき、1〜2つのクラス特徴。
 そのクラス特徴を生かしたパワーや純然たる追加パワー。
 各クラスの伝説の道、これには各種族のそのクラスに応じた伝説の道がある。
 そして、特技がほかに用意されているって感じね。
pps:神話の運命もお忘れなく
D16:そうでした(笑)
pps:各クラスのパワーは“追加”なんてレベルじゃありません。PHBよりも明らかに数が多いです。武勇系クラスは一気に選択肢が2倍以上になりますね
D16:取るべきパワーに、個性をちゃんと反映できるようになったね。
pps:PHBだけだと、「このレベルのパワーは単純に考えるとれが最強」ってのが決まっちゃっているところがありましたけど、もう大丈夫
D16:そういえば、やや脱線するのだけど、4thのパワーって、明らかに「特定レベル帯で有用だけど、後から取り直しするためのパワー」ってあるね
pps:ありますね。そもそも13レベル以降の遭遇毎や一日毎パワーはすべて既存のパワーと置き換えですし
D16:パワーの評価っていうのが、取得タイミング、パーティ構成による、そのキャラに求められる性能で、いろいろ変わるという。
pps:最適解が固まってしまうことがないのは、4版の素晴らしいところだと思ってます。
D16:そうだねえ。脱線ついでに言うとこの間、5人パーティ、パラディン(【魅力】)、ソードメイジ(盾)、ローグ(【魅力】)、ウィザード(火力)、レンジャー二刀流の5人パーティだったのだけど。かなりちゃんと廻ってびっくりした。
 指揮役居なくて辛いかと思ったけど、パラディンがちゃんと仕事すると0.7人前指揮役くらいにはなった、
pps:短期決戦を心がければ、パラディンだけでも何とかなるでしょうね。長期戦になるときつそうですが。
D16:つまり、ゆがんだユニットでも全体でバランスがとれていればなんとかなるというか。そのあたりの「最適解の固まらなさ」はサプリを読む時にも意識しておきたい。
 「レイスストライクつええ!」と同じノリで4thのサプリは読めないのですよ
pps:同じくらいイカレたデータは稀に見られますが、たいていアップデートで弱体化しますしね
D16:で、ファイターはどうなったのか、是非それを。
 えー、ファイターって本当に防御役なんでしょうかね(笑) 今回のクラス特徴見てるとそう思います
pps:「攻撃は最大の防御」を地でいくようなオプションばっかりですもんね。PHBのオプションがどちらも攻撃ロールへのボーナスだったのに対して、武勇の書のオプションはどちらもAC低下と引き換えにダメージが増えます。
 AC低下といっても、スケイル→チェインで1下がるだけ。それでダメージが+2されるなら決して損ではないはず。
D16:熱闘型ファイター、烈風の技ファイターともに鎧がチェインメイルという制限下でダメージにボーナスが得られるのです。
pps:熱闘型ファイターは攻撃により一時的hpを得て、それでダメージ対応するクラス。武器がアックス、ハンマー、メイス、ピック限定。ダメージ・ボーナスが一時的hpを持っている時のみ、という限定がちょっとめんどいかな。
D16:烈風の技はレンジャーではなくファイターの二刀流。軽装鎧かチェインメイル着用時限定でダメージ・ボーナス。軽快な機動がダメージを増やすってイメージだね。とはいえ、熱闘型は盾持てるので、AC低下はチェインとスケイルの差分のみですむか。
 烈風型は《二刀の守り》が入るけど、反応とACが盾持ちファイターにに比べ、下がるのは否めない。
pps:熱闘型ファイター、イラストのドワーフはモール両手持ちですが、明らかに盾を持ったほうが強いですね。烈風型は無限回パワーで2体の敵を攻撃して2体ともマークできるのが強い。
D16:ああ、確かに! 2体マークは強い。1ラウンドに複数マークが可能という、ファイターの本領発揮だね。
 で、このクラス特徴。PHBにあるファイターのクラス特徴、片手持ち、あるいは両手持ち武器で命中判定+1の代替特徴なわけで、命中率との引き替えをどう判断すべき?
pps:ロングソード片手持ちにくらべて、熱闘型のアックス使いは攻撃ロールが-2されるので、けっこうきついです。
PHB2の“武器練達”特技とかで少しでも命中を補いたいところ。
D16:そうだねえ、確実に当てに行くために連携が必要だな。まぁ、[奮起]キーワードがあるなら、ミスしても一時hpが得られるけどね(笑)
pps:[奮起]キーワードというのは新たに追加されたパワーのキーワードでして、このキーワードを持つ技がヒットすると一時的hpが得られるというもの。熱闘型ファイターは普通の攻撃でも、ヒットすれば一時的hpが入ります。これで、ダメージをこまめに吸収しながら戦うのが熱闘型ファイターですね。
 ミスしても最低限の仕事ができるのはファイターの長所ですが、あんまり当たらないとフラストレーションたまりますから……
D16:確かにねー>フラストレーション。とはいえ熱闘型ファイターが使う武器には命中+3の武器がないからなぁ
pps:1レベル時はちょっと辛抱が必要かもしれません。
D16:熱闘型ファイターをするなら、【筋力】20は欲しいって感じかな。一方、烈風の技は2回攻撃がなかなかおもしろい。
pps:とにかく攻撃回数が多いので、レンジャーと同じくクリティカル関係の特技・効果と相性がいいですね
D16:命中判定も下がらずに済むんだよね。”副武器”の特性を持つ武器を選べば命中に+1ついてくる。
 使える武器が”副武器”なのでダメージダイスは小さいものの、ダメージに+2ボーナス乗せられるのでその分は十二分にカバーできる。
 こっちは明らかに攻撃重視、防御が薄いパターンだ。現状ではもっとも撃破役に近い?
pps:そうですね。このクラス特徴は現在の所、『冒険者の宝物庫』にあるダブルソードと相性が抜群です。
D16:昔のツーブレーデッド・ソードね! あの武器は片方が主武器、副武器扱いだからボーナスが乗るのは片方のみでいいの?
pps:そうですね。ちょっと計算が面倒かな。とはいえ、ファイターのパワーの中には二刀流が前提なのに1回しか攻撃しないパワーもけっこうあるので、そんなに気にしなくてもよいと思います
D16:ダブルソードは、「防御」の特性*6も持っているからこのクラス特徴の弱点であるACの低さも少し補えるしね。
 そういえばさっき、[奮起]キーワードのパワーがでたけど、もう一つのキーワード[威嚇]はどうだろう? 〈威圧〉に習熟したキャラがこのキーワードのついたパワーをヒットさせると、敵は次の自分のターン終了時まで命中に−2。
pps:処理が重くなりがちですが、悪くは無いかな。
[威嚇]パワーはファイターとローグにあるんですが、ローグが使うよりはファイター向きのはず。
ローグの攻撃がヒットした敵が生きて次のターンを迎える可能性は低いので。
D16:敵の命中に−2は大きいからね。ただ、確かにちょっと処理が重くなるので、このパワーを使うファイターはそれ用のマーカーを用意しておこう。
pps:では、パワーの方です
D16:さて、今回は[無限回]パワーが4つ追加されてる。
 デュアル・ストライクは、ファイター版ツインストライク、近接武器のみ。
 クラッシング・サージは[奮起]キーワードがついた通常近接攻撃。
 フットワーク・ルーアがPHBファイターにとって考える価値あるかな。相手を自分のいたマスに引き込むパワー。
 ブラッシュ・ストライクは、命中に+2、アックス、ハンマー、メイスならダメージに【耐久力】修正値を更に足す。
pps:そのかわりに、攻撃目標に使用者に対する戦術的優位を与えてしまいますが>ブラッシュ・ストライク。
D16:熱闘型ファイターの命中下がるのはこれでカバー、なのかなぁ。
pps:シュア・ストライクよりはこっちの方が良いでしょうね。
D16:だろうね。ほかに英雄級でおもしろいパワーというと……。
 3レベルのプロウビング・アタックは機会攻撃時に使える[遭遇毎]攻撃パワーで、ヒットすると、次のターン終了時まで命中+4。しかも反応狙い
pps:そのパワーのように、標準アクション以外で使えるパワーが増えて、戦闘がさらにダイナミックになりますね
D16:サヴェッジ・パリィ(7レベル遭遇毎攻撃)なんかは、敵が味方にヒット与えた時に割り込んで、そのダメージ減らしつつ、敵に若干のダメージ。
 相手の移動に割り込むかたちの防衛役ファイターというのも充分作れるパワーが増えてきたね。というか、パワーが楽しいの多すぎ(笑)
 伝説の道はどう?
pps:ドワーヴン・ディフェンダーとか、懐かしい名前がちらほら見られます。
 種族別の伝説の道で楽しいのは、ドラゴンボーン用のインナー・ドラゴンかな。
 12レベル汎用パワーが、「君のhpは重傷値まで減少する。減少したhpに等しい一時的hpを得る」という漢らしいもの
D16:ちなみにこの伝説の道は、重傷になると“ドラゴンボーンの怒り”による命中ボーナスが+1ではなく+2になる。
 しかも、この一時的hpが無くなるまで【耐久力】修正値分のダメージ抵抗って、結構大きくないか。さらに、斬りつけられるとその傷口からブレスが炸裂(笑)
pps:シールド・アデプトのパワーもけっこうヤバイです
D16:盾使いの伝説の道ってのも渋いなぁ
pps:自分または味方を攻撃してミスした相手を、攻撃ロールなしで自動的に幻惑状態かつ弱体化状態(セーヴ・終了)に。防御的に見えて、実は盾でガンガン攻撃するキャラ。
D16:って、攻撃ロールなしって、ひどいねえ!
pps:盾を使った戦闘技術は日本だとなじみが薄いんですが、中世ヨーロッパでは超メジャー。盾の縁で敵の顎をカチ上げて、鎧の隙間に刃物を差し込むとか
D16:ある意味すごく洋物ゲームらしいですな。
 ほかに目立つものと言えば、ドレッドノートかなぁ
pps:“底なしの体力”が強烈ですね
D16:まずhp+10。なんだそれ
pps:そして10ダメージを受ける代わりに何回でもセーヴィング・スローが行なえる。
 その気になれば(セーヴ・終了)の効果はすべて1ターンで終了します
D16:しかも、アクション・ポイント使って攻撃すると次まですべてのダメージに対する抵抗10がつくとゆー。止まらないね! まさに不沈艦の趣き
pps:ポールアーム・マスターは機会攻撃の間合いが手に入ります。3版のスパイクト・チェインの悪夢ふたたび
 スピアでの突撃に+1[W]する特技もあるので、長物使いは楽しいですね
D16:上級クラスの能力だから、許す! 武器をいろいろ選ぶ楽しみが出てきたね。
pps:よいことです。

『武勇の書』を語ってみる、つぎはウォーロード

D16:では、ウォーロードです。
 こちらもクラス特徴が二つ。
 “勇壮なる威風”はアクション・ポイント使って追加アクションする味方に、その攻撃がヒットしたなら追加の移動か基礎攻撃を更に追加で与えるという強烈なもの。
 ミスしたら、その味方はすべての敵に戦術的優位あたえるけどなー
pps:勇壮なる威風は全体的にハイリスク・ハイリターンですね
D16:パワーの方で勇壮なる威風の場合に副効果が得られるパワーがあるんだけど、そっちの傾向見ても、ホントそうだね>ハイリスク・ハイリターン。
 ただ、4版はヒャッハーだという考えからするとかなり楽しいんじゃないかって気もする(笑)
pps:ウォーロード本人が敵に戦術的優位を与えてしまうパワーの場合、長柄武器を使えばリスクをかなり軽減できます
 まあ、そんなことは考えなくても大丈夫ですが
D16:あと、遠隔攻撃する人とは相性良さそうに見える。
pps:そうですね。
D16:応変の威風は【知力】と【魅力】と両方を使うクラス特徴
pps:能力値の配分が難しいですが、多様な効果の得られるパワーが多いですね
D16:キャラ作成のときに、ポイント制でなくダイス振って高い目でたときとかは楽しそう。
 アクション・ポイントをつかった攻撃がヒットしたならダメージにレベルの半分+【知力】ボーナスが足される。
 全部はずれたら、レベルの半分;【魅力】ボーナスの一時hp。範囲攻撃だとたのしそうだなー!
pps:複数回攻撃のパワーならすごいことになりますね
レンジャーとか。
D16:10レベルの時点で+10くらいにはなるよねえ>このボーナス総計
pps:知力一点上げはできないから、+8か+9までだと思いますが、それでも強い
pps:無限回パワーは2つ
D16:[無限回]パワーのオープニング・シャヴがまた、イカスねえ
 【筋力】対反応で、ヒットすると目標を1マス押す。で、自分から見える味方を一人指定。その味方はウォーロードの【知力】修正値分シフトできる。または、押された目標に近接基礎攻撃1回。
 本人はダメージ与えないにしろ、位置調整パワーとしてかなり優秀だね
pps:基礎攻撃をあたえる能力として見ると、コマンダーズ・ストライクと違い攻撃ロールが2回必要になっちゃいますが、それでも優秀です
D16:ブラッシュ・アソールトは【筋力】vsAC攻撃で、1[w]+【筋】ボーナスだけど、また男らしい効果がついている。
 目標がカウンター攻撃していいってんだから(笑)
pps:目標は使用者に対し、戦術的優位を得た上で、1回のフリー・アクションとして1回の近接基礎攻撃を行なうことができる。目標がその攻撃を行なったなら、目標から5マス以内にいる使用者の選択した味方1人は、その目標に対し1回のフリー・アクションとして、戦術的優位を得た上で1回の基礎攻撃を行なうことができる。
 使いどころを間違えるとひどいことになりますが、そこで頭をひねるのがウォーロードの楽しいところ
D16:賭が楽しいクラスになったねえ
pps:英雄級パワーで他に目に付くものといえば。まずはフィアレス・レスキュー(笑)
D16:バカじゃねえのかこのパワー(笑)
pps:味方のhpを0にした敵に、即応・対応で近づいて一発殴り、そのhpが0になった味方は回復力を1回ぶん消費する。
 この時の移動で誘発した機会攻撃の回数ごとに、追加で1d6のヒット・ポイントを回復(笑)
 ロマンあふれすぎ

D16:途中で殴られるほど、回復量が増える(笑)。「こんなに傷ついてまで助けに来てくれたんだ!」で、感動して回復するとゆー。
 今回のウォーロードは、「お前たちの命、俺が預かった!」と言う台詞が似合う。まぁ、だいたい自分が一番の鉄火場にいるんだけどさ(笑)
pps:そしてプロヴォーク・オーヴァーエクステンション。ブラッシュ・アソールトに似て、ウォーロードの攻撃に対応して敵が攻撃するんですが、それが強制。反撃しなくてはならない。
 その上で使用者の味方から攻撃を受ける
D16:これさー、反撃しなくてはならないってことは、ファイターとかソードメイジの「味方への攻撃に大して割り込んでカウンター攻撃」とかパラディンのマーク能力とかと組み合わせるとひどいな
 いうなれば、「パーティによる両手ぶらり戦法」
pps:だれがうまいこと言えと
D16:そういえば、流れぶち切るようで申し訳ないんだけど。
ウォーロードのパワーの名前さー、自分ではこれが一番と思ったけど、ガーディング・ストライク(Girding Strike)の訳語“”緊褌一番の攻撃”って、わかる人は吹くだろうナァ。
 D&Dでフンドシかよと言う
pps:たしかに(笑)
D16:でも、実際“gird”って動詞は帯で腰を引き締める、身構えるって意味なんだよなあ。
 これ、男性なら身の引き締まる感覚がかなりわかると思うんだ。
 逆に女性PCが使うときにはいろいろと妄想が。
pps:こらこら
D16:馬鹿話はこの辺にしておいて、伝説の道に行ってみよう
pps:ボーダーランズ・マーシャルは罠なんで気をつけて。
 ウォーロードがこの道を選ぶメリットはほとんどないです。
D16:というと?
pps:これはレンジャーがウォーロード・マルチクラス特技を取って選ぶ道。この道の特徴は“狩人の獲物”に関わるものばかりなのです
D16:その逆じゃだめなの? 
 あ! マルチクラス特技だと獲物指定が1遭遇1回か!
pps:そうです
D16:レンジャーからなると、獲物の攻撃にパーティ全員命中+1とか、かなり嬉しいな。
pps:2人目の指揮役がいるとパーティがすごく安定しますからね。
 バトルロード・オヴ・コードは自分でどんどん攻撃したい人むけ。
 20レベルパワーは魅力修正値に等しい回数の攻撃を行なうというとんでもないものです
D16:ウォーロードの伝説の道はほかのもけっこう鼻血が出るようなのいるね。
 トワイスボーン・リーダーは、インスパイアリング・ワードで一度に2体回復(ただしダイス分の追加回復なし)とか、アクション・ポイントで追加行動すると、味方の攻撃に+2ボーナス。
pps:ドゥジュン・オヴ・エラティスの11レベルパワーも何気にすごい。「味方は目標に対する攻撃ロールで出目10できる」
 防御値の低めな暴れ役モンスター相手だと、1ターンの間すべての攻撃が自動ヒットしちゃいます。
 ACがこまかくわかっていれば《強打》も使い放題
D16:使えるのが[無限回]パワーとはいえ、バーバリアンとかだと問題なしだね。
 インファーナル・ストラテジストはウォーロードの威風をも一個追加で獲得して、アクション・ポイントの消費の度にどちらかの威風の効果を与えられるとか。
 やっぱり何回か遊んでるとウォーロードが楽しく見えてくるね。パーティのトータル・コーディネイトに関わる能力が多いんだよな。
pps:後手にまわりがちなクレリックと違って、能動的にパーティを導いていけますからね
D16:ウォーロードはまさにパーティによって、求められる役割が異なる上、その求められる役割をこなしつつ自分のしたいことができるように現時点ではデザインされている印象がある。
pps:他人の面倒をみるだけの役割じゃつまらないですから、そのへんはデザイナー陣が頑張ってるのかな
D16:あと、今回の武勇の書の中でウォーロードが一番背景的な記述が多いよね、伝説の道のなかで。
 たとえば、インファーナル・ストラテジストはティーフリングの帝国バイル=トゥラスの記述があるし
pps:そうですね。ウォーロードはパワーの説明だけではどういうキャラクターなのか見えにくいから
D16:3版のときにはクレリックが背景と密接に関わるキャラクタークラスだったな、〈宗教〉があるから。ウォーロードはこの世界の軍事的な話題に密接に関わるからだろうね
pps:神がこの世界に直接関与しなくなったぶん、人類の歴史が長く重要になっていますね
D16:なるほど、そう言うことか! 3版と4版の世界観の変化がここに出てるのかも!
 で、今週はここまで。再来週はレンジャーとローグについて駄弁ってゆきます。

D&Dリプレイ3若獅子の戦賦-雷鳴山編 (HJ文庫G)

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D&D第4版がよくわかる本II (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

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武勇の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 サプリメント)

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冒険者の宝物庫 ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版 サプリメント

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プレイヤーズ・ハンドブック2 第4版 (ダンジョンズ&ドラゴンズ サプリメント) (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版基本ルールブック)

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*1:『若獅子の戦賦、雷鳴山編』を参照

*2:3版のサイオニック・ハンドブックはコーデルがメイン

*3:ずいぶんひどい言いぐさですが、我々は決してコーデルが嫌いなわけではないです

*4:巨人たちに立ち向かう伝説級レベルのアドヴェンチャー

*5:E3 Prince of Undeath

*6:使用しているとACに+1