卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

穴鬼ヶ原DM記録:第2回

 キャラ紹介とコメントの続きー。
 冒険がどんな感じだったかは田中天さんの日記に詳しいのでそちらをご覧下さい。

静かなる地獄、リメイン
 ティーフリング♂、ウォーロード/インファーナル・ストラテジスト
 夢枕で名将マラキから戦術を学んだ応変のウォーロード。師マラキから百鬼王陣営に宿敵フレイムブラウ流の影ありと聞き、月のきざはしへ。挟んだ敵をフルボッコにする程度の能力を持つ。
 プレイヤーは俺(つまり吉井さん:D16注)。
 力の指揮役。
 いるだけで仲間に恩恵を与える効果をふんだんに利用し、自分が殴る時は可能な限り自分以外も攻撃できる状況を作る係。肉を切らせて骨を絶つような戦闘スタイルは、避ければラッキー、当たってもインファーナル・ラスの種火とポジティブに受け止めることでストレス軽減。死ななきゃいいんだよ死ななきゃ! あと、人によって効果変えられるバフで欲しい人に欲しいものをあげる柔軟性は要所要所で光ってた……と思う。
 あとDMは「なんでそんな動くの早いんだよー」って泣いてた。《戦闘司令官》おいしいです(^q^)

 第1回セッションにしてDMのブラックリストに載ったこのパーティの要。
 セッション終了後、「そういや、拙者まだインスパイア・リングワード使ってませんでしたな、ブヒヒヒ」と調子に乗ったり。
 戦闘開始時「あ、《戦闘司令官》で全員イニシアチブ+5で」と言ったり。
 挟撃時「ダメージ+5です。ところで、目の前でトライデント投げるんですが機会攻撃しちゃいます? しちゃう? ファイターが挟撃マークしてるけどしちゃうんだー?」と言ったり。
 いかん、思い出すと殺意が(笑)

 武勇の書で追加された応変の威風ウォーロード。【知力】と【魅力】と使い分ける。味方強化が山盛りで、特に10レベル一日毎パワー、インスタント・プランニング/即興計略がオニ。5マス以内の味方に(1)命中に【魅力】ボーナス、(2)移動速度に【魅力】ボーナス、(3)すべての防御値に【知力】ボーナスのいずれかを与えるというもの。普通に使うとこの3つからどれか一つを選んで全員に適用なのだけど、応変ウォーロードは利益を受ける側がこの3つのどれかを選べる。
 これらの豊富なBuffを管理するために自前でボーナス付箋を用意してたのが便利でした。

 このパーティの戦いの起点がこのリメインで、高いイニシアチブで先手を取り、後述するザラストロが先制攻撃で一掃、リメインとヤン、ファンギーが厄介な敵を挟撃して速やかに排除、ユーティリティ+敵操作をバラザールが行なう流れ。
 恨みは募りますがカッコ良いのも事実で、PHB2で導入された背景から“地獄の悪夢”を選び、伝説の道に“インファーナル・ストラテジスト(HJの武勇の書の紹介ページにいます)”を選んで「悪夢の中で軍略を授けられた」という設定には唸らされましたね。
 で、リンク先のインファーナル・ストラテジストの説明で名将マラキを討ったドラゴンボーンのウォーロード、ダライアン・フレイムブラウと言うのがおり、その末裔もまた”フレイムブラウ・コマンダー”と言う伝説の道となっている……。
 ならば、戦って貰うのが当然でしょう!
 
 リメインに限り、DMが導入を別に用意しました。こんな感じ。

 導入:“月のきざはし”にて身を休める君の夢枕に、歴戦のティーフリングが立つ。バイル=トゥラス帝國の名将マラキその人である。彼は告げた。
「伝説にふさわしき戦いが今、始まる」と。
「百鬼王スカルマドは、名高きドラゴンボーンの傭兵団をその尖兵として雇い入れた。仇敵フレイムブラウの戦術を用いる者達である」
「今こそ、地獄の軍略・戦術を用いて我が名を世に響かせるのだ」
 クエスト経験点:400 XP(副次クエスト)。

 実際のゲームでは、リメインが仲間達を月のきざはしに呼び寄せるという風に。
 月のきざはしという街ですが、ここはもとより交易で成り立っていた街で、街の防備は前回のヤンの導入で触れられていたゼランド男爵の兵士に完全に頼っていました。
 トロル達の襲撃を受けて慌てて守備兵を訓練しようとするも、そのノウハウはなく、男爵領への援軍は到着に時間がかかってしまいます。
 この街にリメインと言う人材がいたのを市長であるハーフエルフ、キラナは知っていたのですが、その風貌*1と、風聞*2に二の足を踏んでいたのでした。
 とはいえ、状況の悪化を鑑みて彼女はリメインに月のきざはしの護りを相談したのです。

流離の狼、ファンギー
 ロングトゥースシフター♀・ファイター/ショック・トルーパー
 英雄級卒業とともにやることを失った元・復讐の鬼。生きる理由を無くしさまよった挙句、月のきざはしへ。無限回パワーで2体マークする程度の能力を持つ。
 プレイヤーは古河さん。
 使用武器をスカージ二刀流にすることで、烈風のファイター(いわゆる二刀流戦士)としては破格のダメージを吐き出すファイター。低いACも殲滅力の高さと、シフターの再生力で補っているため、ビックリするほどスキの無いビルドに見受けられました。
 あとDMは「何でこんなにダメージ与えられないんだ」って泣いてた。

 獣の牙を植えた鞭を使い敵を切り裂く、殺意の旋風。その獲物は無数の牙跡に刻まれ、いつしか彼女はファンギーと呼ばれるように。
 『武勇の書』で導入された烈風の技ファイター。これは要はファイターで二刀流を行なうためのオプションで、武器特性“副武器”である二つの近接武器を使用しているときに命中にボーナスが、その上で軽装鎧かチェインメイルを使ってるとダメージ+2というもの。
 結果として武器のサイズが小さく、鎧が限定されるものの、命中ボーナス、ダメージボーナス、ボーナス特技の《二刀の守り》によって、防御力低めの手数型前衛になるはずでした。けど気がつくと近接基礎攻撃のダメージが1d10+14に。
 ……へ?
 1d10ってグレートソードのダメージなんだけど、一体何が起こっているの?

古河さん:あ、スカージってd8武器だけど副武器特性ついてるんですよ♪
DM:ホントだー!?

 くそう! 『冒険者の宝物庫』め! ……とはいえ、フレイル系だもん、普通は使う人いないよナァ。*3このスカージをショックトルーパーの特徴でダメージダイスが1段階大きくなって1d10、諸々積み上げて1d10+14。[無限回]パワーのデュアル・ストライクでは命中+17、ダメージd10+9で2人をマークする。無限回パワーや遭遇毎パワーで複数対象をマークできるので、戦士の標的が使いやすく味方も安心して行動できる。
 若干落ちる防御能力は、ロングトゥース・シフティング*4や一時的hpを得るパワーで対応する、ハズでした。また、《獣皮変化》の特技によってシフティング中に“すべてのダメージに対する抵抗2”を得たりします。
 いや、今回こちらが全然ダメージ与えられなくて……(涙)ACは同レベルのファイターより2〜3低いんですが、リメイン先生のおかげでモンスターが殴るまでの間に数を減らされてることがほとんど。まぁ、これは小手調べのトロルやトログロダイト程度ではこのレベルのPCには歯が立たないと言うことを確認したってことにしておきましょう!

 このファンギーが選んだ導入はこちら。
 

 導入:「月のきざはし」の市長、キラナよりあなたに招請の手紙が届く。「月のきざはし」の東、穴鬼ヶ原の敵対種族(トロルやトログロダイト)の勢力が最近勢力を増しつつあり、彼女の納める街を脅かしているというのだ。キラナはあなたに街の衛視の訓練と指揮を依頼した。
 謝礼はあなたとその仲間が衛視の訓練に費やした一日毎に金貨百枚。
 あなたは、自分の軍事的才能を示すため、あるいは名声を得るため、死に場所を捜して、等の理由でこの任務に応じたのであった。
クエスト経験点:500 XP(副次クエスト)に加えて報酬。

 さて、じつはここDMが結構手を入れたところです。クエストそのものは冒険シナリオ通りなのですが、訓練やその効果については原書は結構あっさりめ。本来の記述では、街の衛兵は装備が貧弱で数が少ないと言うにとどめ、具体的な数については触れられていません。この副次クエストを完遂することで、PC達に協力してくれる、増援として登場する一般兵が何人かあとの戦闘で現れるというかたちです。
 ただし、DMはここでやっぱり「七人の侍」をしたかった。「荒野の七人」をしたかった。
 ので、この訓練自体を技能チャレンジにし、月のきざはし襲撃を更にふくらませることにしたのです。実際にそれがどうなるかは後のお楽しみですが……。
 なのでファンギーが鍛えなければならない兵士というのは、職にあぶれて仕方なく衛兵になった若者や、毎夕に街灯に火を入れるのが仕事という老兵ということに。
 この街および周辺の人口が1000人ほどとあるので、衛兵の数は10人程度。いざ戦いになったら民兵を動員するので、これらの衛兵は民兵たちを率いる小隊長になるでしょう。この技能チャレンジがかりに失敗したなら、街の衛兵達はトロルを見るや逃げだしてしまい、民兵は単なる有象無象になる、そんな感じです。
 実際には兵の訓練はPC達が合流したところから開始され、第1セッションではまだ成否が判明してません。具体的に言うと、成功回数に応じてどれだけ衛兵が使い物になったかが決まるのです。

冒険者の宝物庫 ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版 サプリメント

冒険者の宝物庫 ダンジョンズ&ドラゴンズ 第4版 サプリメント


武勇の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 サプリメント)

武勇の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 サプリメント)

  • 作者: ロブハインソー,ロバート・J.シュワルブ,クリスシムス,デヴィッドヌーナン,Rob Heinsoo,Chris Sims,Robert J. Schwalb,David Noonan,日本語版翻訳チーム
  • 出版社/メーカー: ホビージャパン
  • 発売日: 2009/07/31
  • メディア: 大型本
  • クリック: 26回
  • この商品を含むブログ (9件) を見る

*1:《地獄の業火の血統》の影響で、外見は一般的なティーフリングより、よりトゲトゲしてデヴィルっ気が強い

*2:敵味方問わず破壊と苦痛をもたらす『地獄の戦略』の使い手

*3:フレイル系は使いこなすための特技、パワーに【敏捷力】を要求する。故に一般のファイターはあまり使わない

*4:獣人化:重傷時になると再生がつくシフター能力