卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

冒険シナリオを読み解く

 第4版の連作冒険シナリオは常にページ数と戦っている。
 4版の冒険シナリオでは戦闘遭遇の記述にかならず見開きを要する。従って、どうしても冒険全体を見通した記述の比率少なくなる、というかわかりやすくはない。これ、ダンジョンがメインだったH1〜3では特に問題にならない。PCたちの行動経路がダンジョンによって規定されているため、比較的シナリオに用意されている遭遇通りに進むからだ。書かれている遭遇をそのままこなすだけでもダンジョンの中にあった物語を知ることができるだろう。
 が、P1以降の冒険ではダンジョン外の遭遇ほかが起こるし、遭遇のシチュエーションも想定していたものとは別になり得る。P1シナリオにすら、「本書には穴鬼ヶ原で冒険の舞台となる所を、おそらくもっとも起こりうる順番で記してある」とあるわけです。
 対応方法としては、まず冒険に全部目を通して、冒険の背景の把握を行なう必要があります。この手のシナリオでは敵軍の構成を知っておくといいのですが、赤い手の軍勢と異なりスカルマドの配下はあそこまで組織だってませんし、敵陣営をまとめた記述も特にありません。
 従って、全部シナリオを読んで敵を書き出し、スカルマド陣営の構成とスカルマドの秘密についてをいったん自分で噛み砕く必要があります。で、ここがおもしろいところなのですけど、本シナリオにはこれらについて「正しい答え」ってたぶん書いていないんですよ。
 遭遇やモンスターについては書いてあるけれど、その背後関係や個々の関わりについては各遭遇の記述などからふくらませ、推測する形になる。ここに「俺のTrollhaunt」を構成する隙間があります。

 田中さんのところで出てきた鬼の楓と雷光童子は、僕がTrollhauntを読んで自分の解釈というか自分好み演出として足したものなのです。と言うか雷光童子(MM2所収のオニの大頭目)はP1シナリオ発表当時にはまだ存在してなかったはずだし(笑)
 けど、『折れた魔剣』のひそみにならうのなら、ここでオニがスカルマドに手を貸さない法はない! なので、足しました。
 こういうふうに手を入れるのは、割とやって良いと思うんですよ。PLの期待を裏切らない範囲で。*1
 
 さて、今回は主にオープンフィールド戦で、しかも大休憩をPCの望むタイミングでとり、戦力も一気に費やす手法がとれたせいか敵方にはいい所ナシでした。
 しかし次回のダンジョンは違います。敵のホームグラウンド、狭いダンジョン、補給タイミングは不確定。この環境でこの超攻勢パーティがどれだけやって行けるか、楽しみです。

シャドウフェル城の影 (ダンジョンズ&ドラゴンズ H1 英雄級アドべンチャー・シナリオ1)

シャドウフェル城の影 (ダンジョンズ&ドラゴンズ H1 英雄級アドべンチャー・シナリオ1)


King of the Trollhaunt Warrens: Adventure P1 (D&D Adventure)

King of the Trollhaunt Warrens: Adventure P1 (D&D Adventure)

*1:「トロルがでてきます!」といって、火耐性のある敵ばかり出したらマズイだろうけど