遠い昔のおにいちゃん
約20年前,色々な意味で一世を風靡した18禁美少女アニメ『くりぃむレモン』の実写版が制作されるという話が出ている。 監督は山下敦弘,主演は水橋研二で 共演は根岸季衣,勝俣幸子, 三浦 哲郁など。 6月中旬から撮影に入り,秋にはテアトル新宿でレイトショー公開の予定とか。詳細不明だがエキストラも募集中らしい。なおキャッチコピーが「ア ト 、ス コ シ ダ ケ お 兄 ち ゃ ん と お ま マ ご と」という事からして,ベースになるのは所謂「亜美」シリーズの様だ。
上記記事のリンク先。
尚、エキストラも募集中。締め切りは5/25まで。撮影は6月中旬を予定してるとのこと。ちらしの現物が欲しい人はテアトル新宿に行かれたし。ハガキよりちょっと大きいぐらいのくりいむレモン色のちらしがロビーの机上に置かれてるのでGETですぞ(まだあるかな…)。▼ちなみに、キャッチコピーは ア ト 、ス コ シ ダ ケ お 兄 ち ゃ ん と お ま マ ご と
許さない。許すわけには行かない。
例えばこれがTo Heartやシスター・プリンセスだったらいっそギャグと笑い飛ばすこともできた。しかし、『くりぃむレモン』のよりによって、「亜美」シリーズを実写化と言うのは、触れてはならない、やってはならないことなのだ。
今ある「萌え」の一番最初のもの、その今見れば脱力物の作画にアフレコその他一切を含めて「亜美」は「亜美」、エロアニメのジ・オリジン(本当にこれが一番最初のエロアニメだったかはさておく)であるのだ。そのリメイクがよりによって3次元で行なわれるというのは、企画が迷走とかいった次元の問題ではない。企画が俺に喧嘩を売っているようなものだ。
たとえばこれがアニメの新作で話題性ある声優、監督を使われたものであってもヲタクを嘗めるな。そういいたいところだ。
しかし、これは、実写だ。
ふざけるなわらかすなねぼけんな。
実写であの衝撃を再現できると思っているのか。そもそも、あれをその後の十把一絡げでくくられる単なるエロアニメと同様とみなして、実写するつもりじゃあるまいな。
「亜美」はな、当時の若き、それこそ恋愛すらどのようなものかも知らなかったヲタク達にとっての「聖娼婦」だったんだ。
自分でもわけのわからなかった劣情、2次元に仮託せずにいられなかった異性への憧れ、そして「義妹」というありえないシチュエーションを導入した、そして、数少ない「見ただけで萎える」女優が出ていない完全なファンタジーとしての性行為。それらすべてを教えてくれたのが「亜美」だったのだ。
程度の規模は知らないが同世代のヲタクであれば失笑、苦笑い、それらを含めて何がしかの感慨を抱かずにはいられない、そんなヒロインなんだ。
それらを全部含めて、リメイクすると言い張るのか。おまえ下手なものを作ったら祟るのは数万のヲタクだけじゃないぞ、彼らが青春のなかで費やした一人数十万のワンダフルライフも祟るぞ。
だいたい、なんだその「ア ト 、ス コ シ ダ ケ お 兄 ち ゃ ん と お ま マ ご と」
とかいうくされたキャッチコピーは。おまえ、「亜美」を本当に知っているんだろうな。知ってて、そのコピーなんだろうな。
あいつらは義理の兄弟の間でのインモラルな関係については自覚的だったしそれゆえにどれだけ切ないシーンがあったと思ってんだ。それをなんだ、このこびこびのコピーは。「亜美」をその辺の雨後の筍の妹キャラでまとめるんじゃねぇ。今ある妹はすべて「亜美」の注釈に過ぎないんだよ(嘘)。
あああああああああ、腹が立つ。
自分でもわかってるつもりだよ、自分の初恋の思い出がこんな風に変わったことに関して、勝手に怒ってることも、言葉に多分何も説得力も共感も無いことを。けれどさ。
そりゃ情報も少ないし、どういう風に転ぶかわかんないよ。見てみたら面白かったってのもありだ。けどさ、あのコピーはどうみても「わかってない」コピーな気がするんだよ。
「風の谷のナウシカ」を日本の特撮で「アニメ版にそって」リメイクするそれとおんなじくらいファンの怒りを買うことだろうがよう。