2004-07-28 夜風に吹かれて 生活 街中の風とここの風は違う。 アスファルトが、昼間に孕んだ熱と埃と雑多な喧騒の気配を夕刻吐き出すため息。 町に吹く夜風はそれが川を渡ってきた風でも、公園の間を抜けてきた風でも、喧騒の匂いをつれてくる。 ここの風が運んでくるのは、10kmはなれた丘や山に生える杉やヤシオ、カンバの葉のざわめき。集落の間を抜ける川面のしぶきの匂い。 まだ夏はこれからだというのに、林と流れの声を伝える風は、続く秋のきりつける風を思い出させるよう。 日本酒半合、ひじきの佃煮