卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

マスターの責任

 Fun of DMing@Deck of Many Things(http://tmiya.blogspot.com/

 ゲームは、「難しい」から面白いのです。
 ゲームマスターが何の努力もせずとも、プレイヤーを楽しませることができるとしたら、ゲームマスターとしては、面白くないです。
 「プレイヤーを楽しませているのは、自分の力ではなく、ゲームの力なんだなぁ」っておもったら、ヤル気がおきません。

(以上は元記事からのMiyamotoさんの引用)
(中略)
 えー、私もこれには同意。「○○さんのマスターする○○を遊びたい」という要素は重要だと思うのだよね。というか、誰でも上手にマスタリングできるRPGというのは、それって単なるボードゲームみたいなものじゃん、と思う。
(後略)

 僕もしばらく前なら、この考えに賛同していたと思います。いや、多分今でもそう思ってはいます。少なくとも、自分をアピールするためにマスタリングしている部分は否定できませんし、否定することでもない気がします。
 ただ、もう一つ考えることもあります。
 DMをはじめて行なう人、敷居の高さを感じている人にとっては“努力が少なくても一定の形になる”、“一定の面白さをシステムが保証してくれる”スタイルをもつRPGは重要なのではないかってことです。
 以前自分のサイトで僕はこんな記事を書きました。

 ……次に、D&Dが優れているのは、DMがどちらかといえば審判として機械的に処理するスタイルをとってなお、セッションの面白さが保証されているということだ。
 D&Dにおいて(ある程度の)面白さは決してDMの資質によるのではなく、D&Dというゲームのシステムによりもたらされるためである(D16はこの事を決して否定的な意味で主張してはいない)。
(中略)
 だから、初心者DMはD&Dというシステムを信じて、まずはD&Dをゲームとして運営することを心がけるだけで、セッションは成功し得る。そして、そうしたセッションを重ねるうちに、単に生き延びること、金を稼ぐこと、龍を倒すことが目的だったゲームに『物語』が付随し始める。個性的なPCも印象的なNPCも込み入ったプロットも最初は必要ない。ただ潜りつづけ、サルのようにダイスを振るうちに、そのプレイグループは自分達が『物語』を結果として紡いでいることに気がつくだろう。
(後略)
「初心者DMのために〜システムを信じろ!〜」

 RPGってのは正直とっつきにくい遊びで、なかでもマスタリングはその手法、面白さを理解するまで時間がかかると思います。でもプレイ人口を底上げするにはDMをやってみようと思う人がたくさんいなくてはならない、マスターをするのに敷居が低いゲームはそれはそれで重要なはずです。
 そして、その“敷居を低くする”方法の一つが、とりあえず機械的なマスタリングでもソコソコ遊べて楽しいシステムではないか、最低限の面白さが保証されるシステムなのではないか。
 “ゲームは、「難しい」から面白いのです。”これは事実の一面をあらわしているとは思うけど、少なくともこれからマスターをしようと考えている人にとっては負担になるかも知れないわけで。これは多分、思ってても言わないでいるのが“華”な心意気みたいなものじゃないか。
 そう考えます。