卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

7月末発売物のおしらせ

 えー、鼻血がでそうでした。いろいろあって。
 実家に戻ってガレージ整理してたんですがいろいろ懐かしいものとか、黒歴史とかを発掘してたりと。

 そうこうするうちに七月末でして、D&D4版各種発表されております。

 今月のGameJapanはリプレイお休みいただいておりますが、記事は『武勇の書』特集でこれまた熱い。
 『武勇の書』を使った11レベルキャラクター(ファイターとウォーロードの)ビルド例が記されています。
 ファイターは武勇の書で追加されたファイタークラス特徴、“烈風の技”による二刀流ビルド。カタール使いで、アクション・ポイントを使えば、1ラウンドに100点強のダメージを平均して叩き出します。
 ウォーロードはグレートスピアを使うジェナシで、伝説の道はバトルロード・オヴ・コード。記事にも書いてありますが、なるほどというコンボ(これは絶対読んでみてください!)で、重傷からの爆発力がとんでもないです。4版はPCの連携でここまで感覚が変わると言うことの好例になるでしょう。
 そしておなじみ吉井さんの『ゆるゆるSpeak Easy』。各キャラクターがいちいちかっこよくてですね“戦闘の活力”の説明で流血している、瞳がバイオレンスな女戦士が良い感じ。ほかにもなんか、ラストのコマに3rdパーティのキモーイ生物がいたり(笑) や、Xax痛快でした。
 
 上記の特集にもありました『武勇の書』、これは近いうちに塚田君(いつも対談に付合ってもらってるpps君です)とまた特集対談しようと思ってるんですが、楽しいですよー!

武勇の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 サプリメント)

武勇の書 (ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版 サプリメント)

  • 作者: ロブハインソー,ロバート・J.シュワルブ,クリスシムス,デヴィッドヌーナン,Rob Heinsoo,Chris Sims,Robert J. Schwalb,David Noonan,日本語版翻訳チーム
  • 出版社/メーカー: ホビージャパン
  • 発売日: 2009/07/31
  • メディア: 大型本
  • クリック: 26回
  • この商品を含むブログ (9件) を見る

 武勇系4クラス(ウォーロード、ファイター、レンジャー、ローグ)用の追加ルール集なんですが、4版の各クラスって、幾つかビルドのオプションがあるわけですよ。たとえばレンジャーなら弓レンジャーとか二刀流レンジャーという風にクラス特徴の選択によってかなりプレイ感覚も性能も変わってきます。
 で、今回は各クラスについて1〜2つこのビルドオプションが追加されてまして、同じくラスでもかなりバリエーション豊かなキャラがつくれるようになりました。片手武器+盾ファイターとクラス特徴が烈風の技の二刀流ファイターはまるっきり戦術が異なってきます。
 パワーや特技の情報に紛れちゃいそうですが各所に、「そのクラスが各種族ではどういうふうなのか」、「武勇による回復ってナニ?」などの疑問に答えるコラムがあって、思ったより読み物としてもイケます。
 特に、伝説の道と神話の宿命の解説文はスゴイ!
 神話の宿命(21〜)っていうのは、知っている人にだけわかる言い方で言うと、クラシックD&Dのイモータルクエストや、ルーンクエストのヒーロークエスト的な冒険、それを行なうPC達の道であり、単なる上級クラスの概念でははかれないものなんです。
 このあたりになると特徴や能力が意味論的なものにすらなります。例えば多くの死を越えて生き延びてきた勇士、アンダイイング・ソルジャーの30レベル能力ですが、“死にません”。彼は死んでも次のターンに生き返ります。死ぬ度に復活速度は遅くなりますが(5回以上死ぬと復活に24時間かかるようになる)。何故このようなものになるか? それはもう、そう言う運命、そう言う英雄としての生き方を彼が選んだからとしか言いようがない。このあたりの説明を記した“神話の運命”の解説文はこの上なく、D&D4版の世界観を語ってくれます。
 その点で言うと、このサプリメントにおける伝説の道と神話の宿命の解説文は、特定の世界観に寄らない、D&D4版世界観の断片(そう、武勇系キャラクターについて語られる断片です)なんですね。
 他にも、自分が行きたいと望む場所にがいかなるばしょであっても24時間歩くことでたどり着けるダーク・ワンダラーとか、かっこよすぎる。
 是非、手にとって見てください。

D&D第4版がよくわかる本II (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

D&D第4版がよくわかる本II (ダンジョンズ&ドラゴンズ)

 そんでもって「D&D第4版がよくわかるII」です。雑誌収録分を増補再収録したほか、いしかわさんによる「駆け出し冒険者の戦術指南」は4版をこれから遊ぶ人たちの生存率、スムーズで軽快なセッション成功に大いに役立つ説明。必見と言って良いでしょう。
 そしてやはり攻略記事として翻訳チーム塚田がまとめた、PHB各クラス、および各種族の冒険者作成のノウハウ解説、運用例。これは『プレイヤーズ・ハンドブック2』、『武勇の書』を踏まえた将来性のある記事です。この塚田というヤツは若獅子の戦賦のラスト戦闘などでも大いに頼りにした、歩くルールブックみたいな男でして……。いろいろ話すと桂さんなみにきりがないので略。
 あとは技能チャレンジについてまとめ記事を載せました。かなり実用的な記事になっております。サンプルはちょっと少なくて2つだけでしたが本文の技能チャレンジと合わせれば4つほどになっています。「こんな提示の仕方もあるのか」と思っていただければありがたいですね。とはいえ『ダンジョン・マスターズ・ガイドII』がでたら時代遅れになってしまう気もしますが……。

 以上、七月の発売物。月刊D&Dはなお健在です。来月には『秘術の書』も控えております。皆様サイフの中身を是非キープしておいてください!