円滑なセッションのために・戦闘の管理
死せる詩人さんがこの間のHJコンを元に、特に4thに顕著な性質に注目して、円滑なセッションの遊び方をまとめてくれています。
4版セッションのノウハウとか: Dead Poet Weblog
4版セッションのノウハウとか2: Dead Poet Weblog
この記事の中で、4thではもう絶対にやった方が良いものが与ダメージの記録、HPトラックです。
4thに限らず、D&Dの戦闘は“いかに手早く相手の数を少なくするか”がキモです。
というか、カッコ付きの“戦術”やキャラクターのクラスイメージからいったん離れて、「どうすれば生き延びることができるか」ということを考えたなら、そうなるほかありません。
敵モンスターは往々にしてPCよりもhpが多く、数すら勝っていることが多い。
その攻撃はほとんどの場合[無限回]、あるいはダイスによる再チャージ能力であり、戦況が長くなることはPC達にとって“一方的に”不利である。
防衛役が戦線を構築するのは、敵を食い止め、うしろのウィザードやほかのクラスに指一本触れさせない、ためではありません。
全員で一斉に攻撃するにあたり、敵の攻撃目標の選択に干渉する能力で、パーティ全体のダメージコントロールについて、主導権を保持するためです。
防衛役は、一行が生きながらえるために防衛するのではありません。
撃破役ほかが安心して死地に飛び込めるように、防衛するのです。
4thはパーティ全体で「いかに敵の数を減らすか」ということについて全力で協力し合ったとき、とても気持ちよく回り始めます。
そのためには、目標の戦力把握、集中攻撃の目標選定、損害の把握は不可欠です。
4thでは“重傷”をDMが宣言することにより、hp残量をかなり正確にPL側が把握できます。ただし、その値の確認をいちいちDMにするのは円滑なセッションを阻みます。
このデータはPL側の方で主導権を持って確認するのが最善です。
防御値トラックは是非やって欲しいテクニックです。
4thのモンスターは四つの防御値を持ち、必ずと言って良いほどどれかに穴があります。英雄級でであう多くのモンスターは意志が穴でした。
相手の防御値の見当がつかないなら、第一ラウンド、パーティで防御値を散らして攻撃を行ない、見当をつけるようにすると良いでしょう。
単にACについての攻撃であっても、防御値の見当がついているなら戦術がかなり安定して組めます。
モンスターについて知っておくことも必要です。
モンスターには、暴れ役、兵士役、砲撃役、制御役、奇襲役、そしてサブクラスとしての指揮役があります。
特に注意すべきは兵士役です。
彼らは、PCでいうところの防衛役に相当し、高い防御値とマークを初めとする攻撃干渉能力を持っています。
彼らをAC攻撃屋が殴るのは、レッド・ドラゴンに対してファイアーボールを打ち込むようなもので、多くの場合、ムダです。人型生物のかたちの時には盾を持っていることもあるので反応もそこそこあるでしょう。
彼らと戦闘序盤から四つに組んでやり合うのは、先ほどの原則「いかに敵の数を減らすか」からすれば愚の骨頂です。
兵士役には攻撃を集中できる状況まで戦場から切り離しておいたり、弱い防御値を積極的に責める必要があります。
つまり、兵士役の対処は基本的にウィザードを初めとするPC制御役の仕事なのです。
では、PC撃破役やPC防衛役の対処すべき相手はなんでしょうか?
暴れ役です。
モンスターの暴れ役は、低防御値、高hp、中命中判定、高ダメージという特徴を備えており、真っ先に撃破しないとパーティの被ダメージが跳ね上がります。
ですが、防御値が低いためPC撃破役がフルでかかって削り倒すことができ、且つそれが必須なhpなのです。
砲撃役、奇襲役、遊撃役についても対処の目安はありますが、とりあえずは「兵士役をまともに相手するな」と「暴れ役は先に沈めろ」ということを覚え、実行するだけでかなり変わるはずです。
さて、モンスターの役割はじつは知識判定では判別できません。
ここはマスターの描写、モンスターの持ち物、主な攻撃手段から見当をつける必要があります。ただそれも、
○盾を持っている、重装甲な人型
○堅い外皮を備えているっぽい
なら、兵士役と思ってほぼ大丈夫なんじゃないかという気がします。
暴れ役に関して言うなら、彼らは真っ先に敵に隣接して可能な限り攻撃を行なうのが最善の戦術なので、そう言う戦術をとってきたものをそれと見なすのがよいのではないでしょうか。奇襲役、遊撃役はいったん接敵した後また離脱しようとするので、それで判別できるはずです。砲撃役は隣接してこないことでそれとわかるでしょう。
とりあえずはこれくらいの理解と優先順位決定だけで格段に戦闘がしやすくなるはずです。