卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

プリキュアよりもぴちぴちピッチピュアのほうが面白い

 悪い先輩から受けた洗脳のせいだと思っていたけど、改めて。
 今のプリキュアよりも、ぴっち・ピュアのほうが面白い。

マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ ピュア
 http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pitch/
ふたりはプリキュア
 http://www.asahi.co.jp/precure/

 いろいろ面白いと思う理由はあるのだけど、とりあえず何とか一般的に言ってみようとすると、シリーズを通してどのように話を展開させていくか、そしてその中で1話のエピソードで何を物語るのかという点に関して、ピッチピュアの方が腰が据わって安定しているということに尽きる、と思う。そして、その話がもう馬鹿で楽しくって、ラヴでむずがゆかったり、ピュアで切なかったりする。
 思えば、
 プリキュアの損はプリキュア・マーブル・スクリューというバンクシーンを使う各回の話の〆にえらく説得力がないこと。そして、彼女たちの戦う理由、ジャアクキングダムと光の園の対立にこれまた説得力がないことだろう。
 一方でピッチピュアはシリーズ構成としての戦う理由、対立存在の存在感は物語の開始当初から揺るぎない。
 しかし、だ。
 プリキュアの各話はなぎさとほのかの日常と、戦う理由とを割りと丹念に書こうとしており、そこここに引き込まれるエピソードというかフレーズがある。というか、常識的に物語を展開していると言っていい。
 これが、ピッチの連中ときたらお目付け役のヒッポでなくても「おい待てや」と突っ込みを入れたくなるくらいに、マイペースというか、脳天気というか、“恋も戦いもライブ感覚の新ヒロイン”というコピーが本当に似合うんだ。こいつら。お前らその背中には七つの海の同族たちの運命がかかっているんだぞ。オイ。
 そのほかにも、バンクでの歌が微妙だったり、そもそもバンクシーンが微妙だったり、歌で勝負する割には歌にこめられたメタなメッセージとかが、紅白に出たときに呼び出しのアナウンサーが困ってしまうほどに各回で希薄だったりする。
 各回の話は子供だまし。そういわれても仕方ないのだピッチピュアは。

 けどさ。
 それを言うなら、プリキュアはキメのバトルの背景となるはずの大きな対立があやふやで、それゆえにポルンによるパワーアップとか決め技までのプロセスそのものが子供だましになっちゃってないか? そして、そのツメの甘さは各話を積み重ねた上でのシリーズ構成において致命的になるんじゃないのか?
 今のプリキュアならと言ったのはまさにそこで、各回でこのあたりを順々に詰めて行き、クライマックスで全貌が明らかになるならいいけど、少なくとも昨シーズンラストの話はかなり腰が砕けたわけで。
 一方、ピッチは毎回の話は脱力するかもしれないし、バンクシーンによるバトルはこれまた脱力しかねないけど(ちなみに、D16は毎回たいへん楽しんでおります)、魅力的な悪役の存在もあって全貌としての対立に説得力は、えーと、その、多分、ある。
 というか、「この対立に決着がつくのなら、(毎回のかけあいは)楽しいし、見てもいいかな」と思わせるものがある。
 で、そのことを楽しみにしていると、作画がときおり微妙になることや、ヒロインの声や、全体に漂うチープな感じとか、ぜんぜん歌の質で戦わない歌バトルとかが気にならなくなってしまう。
 
 ……俺、先輩に洗脳されてないか。
 
 いや、でも。