卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

雑感1

 これはほんとに参加者としての雑感ね。
 複数卓で同一シナリオを遊び、獲得ポイントを競う。そういうやり方に疑問を抱く人は間違いなくいると思うのです。だってRPGって“勝ち負けの無い遊び”だといわれているからね。
 ただ、“勝ち負けを競う”というのと、“勝ち負けをもとにベストを尽くす”ってのは別なこと。草野球なりサッカーなりは“勝ち負けを競う、そのゲームの過程を楽しむ”という遊ばれ方をしてる気がするのです。単にボールを投げたり打ったりしているだけでも楽しいけど、何らかの目的の元にアクションを重ねて行くことが楽しい。
 勝ち負けという最終的な評価基準があるからこそ、どう行動すべきか明確にできる、その目的を共有できる(もちろん評価基準は主観的なものでなく、客観的な誰から見ても明らかなものでなければならない)。
 で、こういう立場からRPGを遊ぶ。
 僕は、そういう遊び方が唯一とは思いません(つか、参加した連中も唯一なんて思ってないでしょうが)。が、この遊び方に数々のメリットがあると考え、今回参加させていただきました。
 で、参加後の感想はまさしく“わが意を得たり”だったわけです。
 
 僕はトーナメントという遊び方では、キャラクター・パーティの運用技術がはかられるべきではないかと考えてます。もちろん、D&Dというゲームの強力なキャラクタ作成能力ならばPCの構築技術もモノを言います。けど、キャラは飾り物でもドラグレース用の機体でもありません。冒険者であり、実際に穴倉をはいずってナンボです。“これだけのことができる”キャラよりも“これだけのことをした”キャラの方が問答無用で高く評価されるべきです。ゆえに、D&Dのウデを競うのであれば個々のプレイグループの運用技術をはかるべきなのです。
 そして、そこにこそトーナメントという形の遊び方が意味を持ちます。
 トーナメントという遊び方、これを成立させているのは、

  1. 可能な限り標準化されたマスタリング環境(それゆえ、ルールにストイックなプレイスタイル)。
  2. 時間を区切ってのプレイ、すなわち実時間という、メタなリソースの配分を考えてのプレイ。
  3. そして、基準のはっきりした得点基準(いわゆるキャラクター・プレイは一切勘案されない)。

 です。
 PC=PL(そう、この環境では非常にPCとPLの距離は短くなります)。この条件で高得点を目指すには、

  1. 十分なルール理解に基づく、円滑・迅速な行動解決(短期的問題解決能力)。
  2. シナリオ内状況・環境の理解、そしてそこからこの冒険の全体像を判断し、行動指針を定める能力(長期的問題解決能力)。
  3. パーティ内での意思統一。

 が必要となります。
 これら3つの課題は、実のところカジュアルなゲームにおいても重要なスキルです。