卓上戦諸録(D16)

D16の卓上ゲーム記録

Dungeon Delve

 というわけでD16はDungeon Delveをイチオシする。
 このサプリメント、1~30レベルまで各レベル3つの遭遇、つまり90個の遭遇をまとめた遭遇集である。一遭遇は見開きに収まっており、各レベルの3つの遭遇は1つのダンジョンの遭遇になっている。
 これ、いうなれば「よくわかる遭遇ドリル、第4版」である。
 DMにもPLにもこの遭遇を遊んでゆけば、各レベルの4版の遭遇がどのようなもので、どのように遊べば+デザインすれば楽しく、遊べるかがわかる。
 マップはすべて発売されているDungeon Tileで再現できる形になっているが、もちろん公式タイルなんて使わなくても大丈夫。さらにモンスターデータも全部書いてあるので遊ぶにはMMも特に必要ない。
 各モンスターの基本的な作戦行動、罠や地形要因をどう生かすかといった遭遇コンボ、忘れがちなモンスターの特殊効果などなどが書かれていて、DM要らずとすら言える。
 つまり、5人くらいでキャラ持ち寄って、遭遇毎にDM交代して各遭遇をボードゲーム的に”攻略”して遊べるのだ。
 「DMやるの初めてなら、この遭遇を順番にやってゆけばDMのやり方がわかる」
 「DMなれているなら、自分が遊んだことのないレベルの遭遇例がわかる」
 そういう製品なのである。
 WoCでチラ見ができるのでリンクしておく。真ん中の”Download the delve (7.8 Mbs PDF)”ってリンクからPDFがダウンロードできる。
 このDungeon Delveってのは1998のGenConでデモプレイ以上のナニかをしてみようよってことで、競技的に遊ぶデモ・ダンジョンがはじまり。掲示板には志半ばで倒れた冒険者の名前がズラズラとならんで、DM陣にはモンテ・クックやブルース・コーデル、エド・スタークが並んで大盛況だった。
 そういうはじまりなので演習的+競技的な内容を含んで、“このゲームのナニがおもしろいのか!”を体験してもらうのに最適なものだったというわけ。
 
 それにしても、このDelveはありがたい。黙ってたかった。
 だって、この先この中からたくさんネタをパクるつもりだったから(笑)
 
 けど、知っての通り国内では“PC向け”のサプリの方が売れ行きが良いという話があって、このDungeon Delveはたぶん翻訳ラインの一次候補にはなりにくい。ここでユーザの皆さんにこのすばらしい製品のことを知ってもらえば、翻訳できなくても英語版のこれを購入して遊んでみようという人が増えるかも知れない。
 英語版をわざわざ買って遊ぶ人なんてのは、そもそも4版の潜在ユーザなんだけど(笑)、もしかしたらその人達の中でこれまでPL専門だった人が、DMにも興味を示してくれるかも知れない。“競技におけるレフリー”的なDMのスタイルもアリだし、それでDMは充分遊べるんだと思ってもらったり、マスタリングのルール面についての苦手意識なんてものを払拭してもらえたなら、それだけでも良い。
 もちろん、4版日本語版に手を出した人がこの記事に騙されて思わずDungeon Delveを手にしてしまい、そのままDMと英語版サプリをずるずる購入して遊んでみようという気になってくれてもよろしい。
 最上は、ここからHJのD&Dサイト(http://www.hobbyjapan.co.jp/dd/)に飛んでいってもらって、翻訳希望を出してもらうことだけどね(笑)

Dungeon Delve: A 4th Edition D&D Supplement (D&D Adventure)

Dungeon Delve: A 4th Edition D&D Supplement (D&D Adventure)